ニュース&コラム | 2020-01-14

不動産デジタルプラットフォームを展開するブラジルのLoftが、a16zがリードしたシリーズCで1億6500万ドルを調達

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Mary Ann Azevedo, January 3, 2020

住宅用不動産の売買をめぐる複雑さにより、ここ米国では多くのスタートアップが生まれている。しかし、これらの複雑さと共に、その問題に取り組むスタートアップもまた、国をまたがり活動をしている。

その証拠に、今朝、ブラジルの不動産デジタルプラットフォームを展開するLoftは、Vulcan CapitalとAndreessen Horowitz(a16z)が共同でリードしたシリーズCラウンドで1億7,500万ドルの資金調達をしたと発表した。 QED Investors、Fifth Wall Ventures、Thrive Capital、Valor Capital、Monasheesなども今回のラウンドに参加している。

1億7500万ドルの資金調達はどのスタートアップにとっても非常に高額な取引だが、特に2年前にブラジルのサンパウロで設立されたスタートアップにとっては半端なく高額な取引だと言えるだろう。Loftは、年間1,000を超える取引を仲介し、「設立1年目で年間収益1億5,000万ドル以上を達成した」と述べた。これは、前年同期比で10倍以上で、同社は急激に成長している。また、過去1年で従業員数が4倍以上になり、1年前の100人程度から今日では450人以上に増加している。

とりわけ、今回の資金調達で、Loftは、Vulcan Capital(Microsoftの共同設立者Paul Allenの投資部門)にとってラテンアメリカ地域での最初の投資先であり、Andreessen Horowitzにとってブラジルで最初の投資先となる。この動きは、Crunchbase Newsがしばらくの間動向を追っているように、この地域に対する世界的な投資家の関心の高まりを示す好事例だと言える。

今回のラウンドで、同社は、設立以来の調達額を総額2億7,500万ドルにまで引き上げた。他にも、ブラジルのCanary に加えて、PayPalのMax Levchin、ParantirのJoe Lonsdale、InstagramのMike Krieger、NubankのDavidVélezなどのエンジェル投資家が支援者として名を連ねている。同社は時価総額の公開を見送ったが、The Wall Street Journalは、今回のシリーズCの調達によって、Loftが限りなくユニコーンの領域に近づいているだろうと話している。

Mate PenczとFlorian Hagenbuchは2018年の初めにLoftを設立し、現在は共同でCEOを務めている。同社の言葉を借りれば、プラットフォーム事業の目的は、「住宅不動産市場の企業組織、データ、効率を改善することで、住宅の売買をより便利で簡単なものにすることです。」としている。Loftは、買い手と売り手の流動性と透明性を高めるため、実際の取引実績のデータと独自の機械学習モデルを組み合わせ、市場に流通している全てのアパートの価格をひと部屋単位で設定している。アパートのリノベーションサービスは、同社が住宅売買の取引と同様にエンドツーエンドで提供するサービスだ。

彼らはブラジルに競合は存在しないと話している。Loftは、今回調達した資金により、2020年の第1四半期にリオデジャネイロ、第2四半期にメキシコシティとその他数都市を始めとして、ブラジルとラテンアメリカに事業を拡大する予定だとしている。同社はまた、2020年に新しい商品カテゴリーを提供する予定で、住宅ローンや保険などの金融商品ラインを大幅に拡大する計画だ。

同社は、取り扱い物件をアパートのみとしている(通常、一戸建て住宅よりもラテンアメリカでは一般的)。また、当然ながら同社は人材採用を継続し、2020年の第1四半期だけでさらに100人の従業員を採用したいと考えていると述べた。そして、つい最近、UberEatsの元ラテンアメリカ地域事業運営統括ディレクターであるJuan Pablo Ramosをスカウトし、メキシコ事業のゼネラルマネージャーに配置した。

Loftにとって、約6兆ドルにも上るラテンアメリカの住宅用不動産市場は大きなチャンスである。取引実績に関するデータの不透明性と硬直化した市場は、「低品質で過多なデータ、高価格、長期を要する販売時間」といった問題を抱えているため、改善の余地、すなわち同社にとっての機会が十分にあると考えている。

Andreessen HorowitzのゼネラルパートナーAlex Rampellにとって、同社の過去1年間の飛躍的な成長は驚くべき勢いであり、住宅不動産市場の透明性と効率性を高めることに対して非常に大きな需要があると示した。「Loftのテクノロジーを活用したアプローチは、特にラテンアメリカなどの急速に成長している新興市場において重要な投資機会であると考えています。当社の革新的なプラットフォームをより多くの市場に展開するために資金を提供出来ることにワクワクしています。」とコメントを発表している。

一般的に、ブラジルのスタートアップの市場は、過去2年間で急激に成長を遂げた。サンパウロに本拠を置くモバイルゲーム会社であるWildlife Studiosは10億人以上のプレイヤーを抱え、BenchmarkがリードしシリーズAラウンドで6,000万ドルを調達しユニコーンとなった。

9月に、ブラジルの不動産に特化した別のスタートアップを記事にして紹介した。サンパウロに拠点を置くQuintoAndarは、シリーズDラウンドで2億5,000万ドルを調達し、ユニコーンステータスへと成長した。

出典:crunchbase news