ランキング | 2021-01-26

イギリスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop6

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イギリスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop6

イギリスのスタートアップ企業を、未上場の企業に焦点を絞り、資産調達額(≒時価総額)順に紹介していきます。

【イギリスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop6】
6位 Babylon Health(6.35億$)
5位 Revolut(9.17億$)
4位 OakNorth(10億$)
3位 TransferWise(11億$)
2位 Oxford Nanopore Technologies(11億$)
1位 Deliveroo(15億$)
※未上場企業の資産調達額は、時価総額とほぼイコールであると考え、資産調達額(≒時価総額)の順にスタートアップ企業を紹介していきます
(2020年10月末時点)

本記事で紹介する企業のほとんどは、金融や医療に関わる分野の企業です。
また、すべての企業がテクノロジーを徹底的に活用し、効率的にビジネスを進めていることも見えてきました。
イギリスではどのようなビジネスが注目を集め、世界をどう変えていくのか、記事を読み進めていくことで見えてきます。

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング6位】Babylon Health

Babylon Healthは、AIを活用したオンライン診療を提供するスタートアップ。2013年にロンドンで設立され、資金調達額(≒時価総額)は6.35億$です。

Babylon Healthのオンライン診療は、スマートフォンのモバイルアプリで提供されます。アプリを使って24時間365日、医師と電話やビデオ通話で「非対面の診療」を受けることが可能。
近いサービスを提供するオンライン診療アプリは多数ありますが、24時間対応というものは珍しいでしょう。

Babylon Health最大の特徴は、アプリにAIが搭載されている点にあります。
アプリを通して医師から診療を受ける以外にも、AI搭載のチャットボットとやり取りをし、簡単な診療をしてもらえるのです。
AIはチャットボットによる診療結果を踏まえ、人間の医師による診療を勧めたり、適切な医療機関の予約をすることさえ可能です。

Babylon Healthのテクノロジーは、COVID-19による「新しい生活様式」「感染拡大の防止」に寄与するばかりでなく、世界中で慢性化していた医師不足を解決する一助になると注目されています。
2020年現在、アプリは50万ユーザーを突破。今後もユーザーは増え続けていくと予想されます。

とはいえ、世界中がBabylon Healthのアプリを歓迎しているわけではありません。
AIによる診療に疑念や懸念を示す声も多く、「AI診療を鵜呑みにして、重大な病状を見逃してしまわないように」と注意喚起されています。

AI診療をどのように捉えるのか、システムと医師・医療機関の連携をどう図るのかに、Babylon Healthの今後の成長がかかっています。

Babylon Health
主要拠点:ロンドン
設立:2013年
推定従業員数:1,001名
資金調達額(≒時価総額):6.35億$

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング5位】Revolut

Revolutは、アプリ形式のモバイルバンキングを運営するスタートアップ。2015年にロンドンで設立され、資金調達額(≒時価総額)は9.17億$です。

Revolutのモバイルバンキングは、電話を使った手続きで、わずか数分で口座を開設できます。複数の口座を手軽に持つことができ、モバイルバンキングを通して次のようなサービスを利用できるのも、Revolutの特徴です。

・海外送金
・通貨両替
・キャッシュレス決済

Revolutでは、通常は手数料のかかる海外送金を、毎月一定額まで手数料無料で行えます。通貨両替にかかる手数料も、一般的な銀行より安価で、150以上の通貨に対応。もちろん、通貨をまたいだ海外送金も可能です。
個人・法人ともに利用可能で、オプションで資産マネジメントのようなサービス設けられます。

お伝えしたような機能・サービスを、モバイルアプリで手軽に利用できることが人気を集め、2020年現在では、フィンテック関連のアプリではダントツのダウンロード数を誇ります。また、2017年12月には日本にもグループ会社を設立。フィンテック・金融系の中でも、勢いのあるスタートアップといえるでしょう。

Revolut
主要拠点:ロンドン
設立:2015年
推定従業員数:1,001名
資金調達額(≒時価総額):9.17億$

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング4位】OakNorth

OakNorthは、スタートアップを中心に融資を行うスタートアップ。2015年にロンドンで設立され、資金調達額(≒時価総額)は10億$です。

OakNorthの特徴は、「オンラインでビジネスを完結させること」と「テクノロジーを活用した低コスト運営」にあります。

OakNorthは全システムをクラウドで管理し、ディープラーニングやシナリオ分析を通して、融資決定を行います。スタートアップを対象に融資を行う機関・企業の中でも、OakNorthのような「効率化された融資システム」は珍しいです。特にフィンテックの分野では、「売上や顧客数の増加」に注目し、コスト削減は二の次という企業が多く、OakNorthは自社のビジネスモデルを「他社とは異なるが、磐石なビジネスモデル」として掲げています。

テクノロジーを活用して、債務不履行・支払いの遅れといった問題を防いできたことも、OakNorthの特徴です。OakNorthは融資先の財務データと運用データを常に監視し、問題の兆候があれば早期に話し合いを行ってきました。
実際、債務不履行のような問題が起こったことは1度もなく、OakNorthは世界中の企業から信頼されています。2019年には、SoftBank Vision Fundから、一挙に4.4億$を調達することに成功。いかに信頼され、注目されているのかが見えてくる出来事でした。

OakNorthのミッションは、事業資金の融資により、世界中のスタートアップのビジネスを加速・成長させること。企業ごとのニーズに合わせ、数日~数ヵ月以内で完済できるプランで融資を行うOakNorthは、スタートアップや起業家の強い味方といえるでしょう。

OakNorth
主要拠点:ロンドン
設立:2015年
推定従業員数:501名
資金調達額(≒時価総額):10億$

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング3位】TransferWise

TransferWiseは、海外送金サービスを提供するスタートアップ。2011年にロンドンで設立され、資金調達額(≒時価総額)は11億$です。

海外送金では、「送金そのものにかかる手数料」と「為替が変わることによる手数料」がかかります。
海外送金自体は、銀行でも可能なものの、手数料に数千円かかる場合がほとんどです。加えて、為替が変わることによる手数料は送金額が大きくなるほど大きくなり、日々の為替レートにより変動します。
為替レートや送金額、利用する機関にもよるものの、2%程度の手数料がかかることは避けられませんでした。

TransferWiseは、送金そのものにかかる手数料を抑えるだけでなく、「為替が変わることによる手数料をゼロにした」ことで名前が知られています。

TransferWiseの送金では、なぜ為替が変わることによる手数料をゼロにできるのでしょうか。
例えば、「円→ドル」の送金をしたい「日本のAさん」と、「ドル→円」の送金をしたい「アメリカのBさん」がいたとしましょう。
AさんはTransferWiseの日本口座に円を、BさんはTransferWiseのアメリカ口座にドルを降り込みます。そして、TransferWiseはそれぞれの口座から、AさんとBさんに希望の通過を「国内送金」をします。
海外送金したい人をマッチングし、自社の口座を使って国内送金することで、手数料をかけずに海外送金と同じ結果を得られるのです。

お伝えしたような送金方法は、実はTransferWiseの創業者2人が、手数料を避けるために使っていた方法。
送金額によっては膨大な金額になる手数料をどのように節約するか。
自分たちと同じ悩みを抱えた人、同じことをしている人に向けて、彼らはサービスをはじめたのです。

結果、TransferWiseはロンドン有数の未上場スタートアップとなりました。TransferWiseのエピソードからは、日常生活や人々のニーズに対して、常にアンテナを張ることの大切さが見えてきます。

TransferWise
主要拠点:ロンドン
設立:2011年
推定従業員数:1,001名
資金調達額(≒時価総額):11億$

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング2位】Oxford Nanopore Technologies

Oxford Nanopore Technologiesは、DNAシーケンスプラットフォームの研究・開発を行うスタートアップ。2005年にオックスフォードで設立され、資金調達額(≒時価総額)は11億$です。

DNAシーケンスとは、DNAの配列や、配列の決定を指す言葉。Oxford Nanopore Technologiesでは、ナノ単位の小さな穴「ナノポア」にDNAを通すことで、DNAの配列を分析する技術を研究しています。
ナノポアに電流を通し、DNAを通過させると、電流に乱れが発生します。電流の乱れを分析することで、DNAシーケンスを行うのです。

Oxford Nanopore Technologiesのテクノロジーは、大きなものはデスクトップPC、小さなものはUDBメモリ程度の大きさのデバイスとして製品化され、80ヵ国以上で次のような研究に使われています。

・ヒトゲノム
・癌治療
・微生物学
・植物科学
・環境科学

USBメモリ程度の小さなデバイスでも、2GBほどのデータ読み取りが可能。ヘルスケアや農業、教育など、あらゆる分野で使えるようにと、使い勝手の良さにこだわり、デバイスの開発を続けています。

Oxford Nanopore Technologies
主要拠点:オックスフォード
設立:2005年
推定従業員数:251名
資金調達額(≒時価総額):11億$

【イギリスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング1位】Deliveroo

Deliverooは、イギリスでフードデリバリーを展開するスタートアップ。2012年にロンドンで設立され、資金調達額(≒時価総額)は15億$です。

Deliverooの特徴は2つ。
「充実したメニュー」と「スピーディで融通のきく配送」です。

Deliverooには、ハンバーガーやフライドチキンから、インド料理や寿司まで、あらゆるメニューが揃っています。
個人へのデリバリーはもちろん、企業へのケータリングまで、あらゆる形式の配送に対応可能です。

元々は、創業者の個人的な想いからはじまったDeliveroo。ロンドンに引っ越してきた創業者は、素晴らしいレストランが軒を連ねることに驚き、同時に「デリバリーをしているレストランが少ないこと」にも驚きました。
「こんなに良いレストランが揃っているのに、デリバリーをしないなんてもったいない」という、個人的な使命感からはじまったDeliveroo。イギリス1のスタートアップに成長した理由は、徹底的な「システム化」と「テクノロジーの活用」にあります。

Deliverooと提携したレストランは、「単に料理を届けてもらえる」だけでなく、「コストカットに繋がるサプライヤーの紹介」「デリバリー用のパッケージ提供」など、さまざまなサービスを受けられます。
料理を配達するライダーの育成・関係性の構築に力を入れているのも特徴です。Deliverooにとってはよりスピーディな配送、ライダーにとってはより効率的な収入経路として、徹底的なシステム化が成されています。

システム化を支えるのが、テクノロジーです。
Deliverooは機械学習を取り入れ、それぞれの「レストラン」と「ライダー」のデータから、効率的な配送ルートを導き出すシステムを構築。
配達時間を20%カットすることに成功しました。

自社に関わるすべての人・ビジネスに利益をもたらそうという姿勢と、徹底した効率主義が、Deliverooをイギリス1のスタートアップにしたのです。

Deliveroo
主要拠点:ロンドン
設立:2012年
推定従業員数:1,001名
資金調達額(≒時価総額):15億$

イギリスの未上場スタートアップから見える、高い使命感

イギリスの未上場スタートアップの時価総額(≒資金調達額)を見ていくと、金融や医療関連のニーズが非常に高いことがわかりました。
ランキングでは1位の「Deliveroo」を除き、すべての企業が「金融・医療」に関わっています。

金融関係のスタートアップの中でも、OakNorthやRevolutのような企業は、「チャレンジャーバンク」と呼ばれます。
チャレンジャーバンクは、アメリカの市場調査会社「Forrester Research」が定義する「未来型の銀行」。目的意識を持った企業や、インサイトの提供に力を入れる企業を指します。
スタートアップの成長を支援するOakNorthは目的意識という意味で、さまざまなサービスを手軽なアプリで提供するRevolutはインサイトの意味で、まさにチャレンジャーバンクといえるでしょう。

また、どのスタートアップもテクノロジーを徹底的に活用している点にも、注目すべきです。
1位のDeliverooは、フードデリバリーと機械学習を掛け合わせ、効率的でスピーディな配送を実現しています。
DNAシーケンスの研究・開発を行うOxford Nanopore Technologiesは、新しいテクノロジーを開発している企業といえます。

イギリスのビジネスでは、テクノロジーやシステム化による「効率化」「スピード感」が、今後ますます重要になっていくでしょう。

しかし、何より注目すべきはテクノロジーでも業界でもなく、「企業のミッション」かもしれません。
Deliverooはフードデリバリーの効率化・普及を通して、レストランやライダーの収益アップを目指していました。
紹介した金融関連の企業は「チャレンジャーバンク」と呼ばれるほどの未来志向な企業ばかりで、AIによる診療を提供するBabylon Healthは、医師不足を解決しようとしていました。

世界各国のスタートアップ企業の動向や、各分野の投資動向などは、ZUVA Proでチェックできます。イギリスの最新のビジネス動向や注目スタートアップも随時お伝えしていきます。ぜひZUVAのメディア・データをご活用ください。

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