ランキング | 2021-01-25

フランスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop8

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フランスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop8

フランスのスタートアップ企業を、未上場の企業に焦点を絞り、資産調達額(≒時価総額)順に紹介していきます。

【フランスの未上場上スタートアップ企業・時価総額ランキングTop8】
8位 ManoMano(3.5億$)
7位 Mirakl(3.9億$)
6位 Ynsect(4.0億$)
5位 BlaBlaCar(4.5億$)
4位 Sonnedix(5.6億$)
3位 Deezer(5.3億$)
2位 Comexposium(6.7億$)
1位 OVHcloud(7.4億$)
※未上場企業の資産調達額は、時価総額とほぼイコールであると考え、資産調達額(≒時価総額)の順にスタートアップ企業を紹介していきます
(2020年10月末時点)

フランスのスタートアップランキングは、他国のものと比べ、特定の業界・分野への偏りが少ない結果となりました。
インフラ系や食糧系、コンテンツ配信など、さまざまな分野でビジネスを展開するスタートアップが、バランスよく名を連ねています。
フランスではどのようなビジネスが注目を集め、今後成長していくには何が必要なのか、記事を読み進めていくことで見えてきます。

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング8位】ManoMano

ManoManoは、建具とガーデニング用品に特化したECを展開するスタートアップ。2013年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は3.5億$です。

ManoManoの主要な顧客は、DIYやガーデニングの愛好家です。ECサイトではソファやランプといった家具はもちろん、洗面器やバスミラーのような「DIYで自宅をカスタマイズするための製品」も多く扱われています。
電動ドライバーやドリルなどの工具の取り扱いも豊富です。

また、ECサイトでDIYに関するコンテンツを掲載しているのも特徴です。
例えば「水周りのトラブルシューティング」のページでは、トイレやシンクの詰まり、電気温水器の故障チェックなど、「我が家の不具合を自分で直す」ための情報を確認できます。

品揃えが豊富なため、個人だけでなく業者・プロの利用者も多いです。
業者は、プロ向けサービス「ManoManoPro」に登録することで、割引や製品に関するアドバイスサービスなどが受けられます。
ガスボイラーや配電盤といった、業者向け製品も豊富に扱われています。

ManoMano
主要拠点:パリ
設立:2013年
推定従業員数:251名
資金調達額(≒時価総額):3.5億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング7位】Mirakl

Miraklは、ECの立ち上げと運営を支援するスタートアップ。2011年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は3.9億$です。

ECサイトの構築から、すでに運営しているECマーケットプレイスの管理まで、Miraklは幅広いサービス・ソフトウェアを提供しています。
ECサイトの構築はカスタマイズ性が高く、複数のマーケットプレイスと統合させることも可能。2019年には、複数のマーケットプレイスの管理と、運営者とのコミュニケーションを一括で行えるダッシュボードをリリース。EC運営を効率化し、利益を最大化します。

ECを運営する企業は、規模が大きくなるほど複数のEC業者を併用する傾向にあります。ECの規模と売上が大きくなるほど、管理にかかるコストも大きくなり、自社の成長と利益が比例しなくなっていく企業も多いでしょう。
MiraklはEC運営における課題を発見し、「各ECをより効率的に管理する」ことで、管理コストを削減。利益を高められると考えました。

BtoB、BtoC問わず、世界で300以上の企業が、Miraklのソリューションを活用しています。

Mirakl
主要拠点:パリ
設立:2011年
推定従業員数:251名
資金調達額(≒時価総額):3.9億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング6位】Ynsect

Ynsectは、昆虫から新しい飼料を生み出すスタートアップ。2011年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は4.0億$です。

Ynsectは、世界的に深刻化している「食糧問題」に対して、飼料の面からアプローチしています。
主に魚の養殖に使う飼料とペットフードの一部に、昆虫を原料とした新しい飼料を混合し、既存の飼料を削減しているのです。

Ynsectは、昆虫のには豊富な栄養素が含まれていること、特定の行動パターンがあることに注目。パートナー企業と協力し、「効率的な昆虫の養殖」を進めてきました。
研究から得られたデータとテクノロジーを活用し、昆虫の栄養分を最大限に高める「垂直農法」を開発しました。

化学薬品を使わずに幼虫を育て、成虫にはそれぞれ最適な「環境と飼料」を与え、「栄養豊富な昆虫」を育てます。
飼料への加工でも、化学薬品は不使用。オーガニックな生産にこだわり抜くことで、栄養の面でも安全の面でも、高品質な飼料を作ることに成功しました。

Ynsectは「昆虫の飼料」に関する特許を25以上取得。省スペースで育成・飼料製造ができる垂直農法により、栄養豊富な飼料を大量生産しています。

Ynsect
主要拠点:パリ
設立:2011年
推定従業員数:101名
資金調達額(≒時価総額):4.0億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング5位】BlaBlaCar

BlaBlaCarは、世界トップクラスの「長距離相乗りプラットフォーム」を展開する、MaaSスタートアップ。2006年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は4.5億$です。

BlaBlaCarがうまれたきっかけは、創業者の個人的な体験にあります。
2003年のクリスマス、創業者のフレッドがフランスの実家に帰ろうとするも、電車は満員で乗れませんでした。仕方なく家族に車で迎えに来てもらうと、道はたくさんの車で込んでいるのに、ほとんどの車が1人で運転されていて、「1台1台の車」は空いていたのです。
「電車も道路も満員なのに、1台1台の車の中は空いている」という光景に、フレッドは新しい移動・旅行プラットフォームの可能性を感じました。

「どうせ同じ場所に行くのなら、相乗りをすれば良い」というシンプルなアイデアを、世界トップクラスの相乗りプラットフォームに成長させるために、BlaBlaCarは「創造や仮定ではなく、実証する」ことを重視。情報はメンバー同士でクロスチェックし、正確と証明されたデータに基づき、チームで積極的に意見を出し合ってきました。

結果、BlaBlaCarは2020年現在、22ヵ国に約9,000万のユーザーを持ち、四半期ごとに2,500万人もの旅行者に利用されるようになりました。
BlaBlaCarのエピソードからは、何気ない光景やアイデアを注意深く観察することと、何事も正確なデータに基づいて検証することの重要性が見えてきます。

BlaBlaCar
主要拠点:パリ
設立:2006年
推定従業員数:251名
資金調達額(≒時価総額):4.5億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング4位】Sonnedix

Sonnedixは、太陽光発電事業を行うスタートアップ。2009年にレンヌで設立され、資金調達額(≒時価総額)は5.6億$です。

2020年10月現在、Sonnedixが管理する総電力容量は、全世界で1.96GWにも及びます。さらに、およそ300施設、750MW分の太陽光パネル・施設の設置が進んでいます。
主力地域は、地中海沿岸の各国と日本。Sonnedixの9割近くの施設が集中する地域です。

日本にも、2013年7月にグループ会社を設立。2020年現在では、「北海道」「沖縄」「四国」を除く日本全土に、17の発電施設を保有しています。

Sonnedixのミッションは「経済的・社会的・環境的に有益な太陽エネルギー」を普及させ、環境に悪影響を与えることなく、発展途上国にも電力を届けることです。
世界的に見ても、太陽光発電をはじめとする「クリーンエネルギー」は、注目度を高め続けています。
プラスチックや紙など、電力以外のさまざまな資源の不足・枯渇問題も年々深刻になり、解決に乗り出すスタートアップは増え続けています。

太陽光によるクリーンエネルギーの普及に取り組みながら、子どもたちをソーラープラントの見学に招待したり、地域のコミュニティへの支援や連携活動したり。Sonnedixは、「電力以外での持続可能性戦略」も推し進める、グローバルなスタートアップです。

Sonnedix
主要拠点:レンヌ
設立:2009年
推定従業員数:51名
資金調達額(≒時価総額):5.6億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング3位】Deezer

Deezerは、音楽ストリーミングサービスを展開するスタートアップ。2006年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は5.3億$です。

同名の音楽ストリーミングサービス「Deezer」は、マルチデバイス対応で、あらゆる音楽の配信が可能。ユーザーは音楽を聴くだけでなく、自身で作成した楽曲をアップロードし、ほかのユーザーに向けて配信することもできます。
3つのプランが用意されており、広告の有無、CDレベルの高音質配信などの「使いやすさ」「配信クオリティ」でプランが分かれています。利用できるサービス内容に変わりはありません。
2020年現在、189ヵ国でサービスを展開し、世界1,200万以上のアクティブユーザーと、1,000万以上の有料ユーザーを保有。日本でも、CDレベルの高音質配信プランのみでサービスを展開しています。

音楽ストリーミングサービスというと、利用者の多さではYouTubeの提供する「YouTube Music」、世界的には浸透していないものの、中国国内だけで4億ものユーザーを誇る「NetEase Music」の名前が挙がるでしょう。
日本では「Spotify」や「Apple Music」が有名でしょうか。

特にSpotifyは、「最も成功した音楽ストリーミングサービス」として知られ、Deezerともよく比較されます。
Deezerは、一般的に広告の少なさや音質の面でSpotifyに勝っているとは言われるものの、世界的にも日本的にも、知名度やユーザー数ではかないません。
また、ユーザーのほぼ全体が「有料ユーザー」と言われるApple Musicも、「収益の意味で最も成功したサービス」と言われています。

発展途上国を含めた、スマートフォンの世界的な普及により、音楽ストリーミング業界を制するのはどの企業になるのか、注目が集まります。

Deezer
主要拠点:パリ
設立:2006年
推定従業員数:501名
資金調達額(≒時価総額):5.3億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング2位】Comexposium

Comexposiumは、世界中、あらゆる分野でのイベントを開催するスタートアップ。2008年にピュトーで設立され、資金調達額(≒時価総額)は6.7億$です。

食品やファッション、ハイテクなど、それぞれ全く異なる11分野で、170以上のイベントを開催。イベント内容はBtoB・BtoBtoCが中心です。
Comexposiumのイベントには、毎年5万近い出展者と、350万人を超える参加者が集まります。

出展者、参加者ともに膨大な数が集まる理由の1つが、Comexposiumが世界30ヵ所に拠点を持ち、20ヵ国に販売ネットワークを持っていること。日本にもグループ会社が存在し、「イノベーションが起こる場を創造する」をことミッションとして、時代の流れに合わせて自社を変化させ続けています。

Comexposium
主要拠点:ピュトー
設立:2008年
推定従業員数:501名
資金調達額(≒時価総額):6.7億$

【フランスの未上場スタートアップ・時価総額ランキング1位】OVHcloud

OVHcloudは、クラウドホスティングソリューションを提供する企業。1999年にパリで設立され、資金調達額(≒時価総額)は7.4億$です。

OVHcloudは、世界4大陸に30のデータセンターを持ち、インターネット上で仮想のプライベートサーバーを提供しています。
最も高性能のサーバーでは、ストレージは640GB、トラフィック2Gbpsと、非常に高速かつ快適に利用できるものです。

使い勝手も良く、サーバー上にはLinuxとWondowsのオペレーティングシステムがインストールされており、好きなものを使用可能。サーバーは使用環境に合わせて拡張でき、バックアップデータは外部のストレージに保管されます。万一の場合も安心です。

資金調達の回数はわずか2回。2016年と2017年にそれぞれ1回ずつであるにもかかわらず、フランスの未上場スタートアップの中で、最も多くの資金を調達しています。

OVHcloud
主要拠点:パリ
設立:1999年
推定従業員数:1,001名
資金調達額(≒時価総額):7.4億$

フランスの未上場スタートアップは、さまざまな分野のニーズに的確に応えている

フランスの未上場スタートアップの時価総額(≒資金調達額)を、他国の未上場スタートアップランキングと比較してみると、業界や分野の偏りが少ないことがわかります。

例えばイギリスのランキングは、ほとんどが「金融・医療」で占められ、中国では「コンテンツ配信・SNSなどのプラットフォーム」が資金調達に成功しています。
特定の分野に偏らないという意味では、アメリカに近いといえるでしょう。

しかし、一つひとつのスタートアップをよく見ていくと、「世界的な問題・課題を解決しようとしている企業が多い」といえるかもしれません。

1位の「OVHcloud」は、インターネット上で高性能の仮想プライベートサーバーを提供。先進諸国で年々進む「リモート化」に、必須のソリューションといえます。
SonnedixやYnsectは、分野こそ異なるものの、「資源の枯渇」という世界規模の問題にアプローチするスタートアップでした。
特にSonnedixは、発展途上国への電力供給を重視したり、子どもたちや地域コミュニティとの連携に力を入れたり、社会貢献の意識が高いスタートアップであるといえるでしょう。

また、BlaBlaCarは地元住民だけでなく、旅行者の利用も視野に入れてサービスを展開。「観光客の多いフランス」ならではのニーズを的確に捉え、類似サービスとの差別化を図っています。

問題解決の意識と、ニーズを探し的確に応えていくことが、フランスのビジネスでは重要になっていくでしょう。

世界各国のスタートアップ企業の動向や、各分野の投資動向などは、ZUVA Proでチェックできます。フランスの最新のビジネス動向や注目スタートアップも随時お伝えしていきます。ぜひZUVAのメディア・データをご活用ください。

ZUVA
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