ニュース&コラム | 2020-09-16

COVID-19はこの10年で最大の企業を生み出す促進剤かもしれない

シェア

Guest Author, September 14, 2020

「他人が恐れている時に貪欲であれ。」

今日の環境下では、ベンチャーキャピタルはこの格言を採用できる企業への投資に希望を持ち続けています。

企業からの大きなリターンは、特に苦難の時代において、消費者の行動を根本的に変え、改善することができる企業から得られることが多いです。COVID-19は世界のテックエコシステムに悪影響を与えていますが、市場の状況を変え、スタートアップが破壊できるチャンスのポケットを残しています。ここでは、次世代を担うテクノロジー企業がこの危機から抜け出す可能性がある理由を紹介していきます。

VCを背景とした上位のイグジットについて、年代別の歴史的な分析によると、これらの稀な市場の変化から生み出される価値が、不況の影響を上回っていることがわかります。今回私は、10億ドルを超えるIPO/M&A案件(我々はこれをアウトサイジング・リターンと定義しています)をすべて取り上げ、企業の設立年に基づいてイグジット時の企業価値の総額をプロットしました。

2007年から2010年の間に、スマートフォンが大量に普及したことで、消費者のモバイルインタラクションが全く新しいものになり、このプラットフォームの上に全く新しい製品やサービス(オンデマンド、モバイルウェブなど)を構築することが可能になりました。

UberやSpotifyのような最も大きなベンチャー企業のイグジットは、モバイル革命から生まれたものであることがわかります。興味深いことに、これらのイグジット時の企業価値が上昇した企業が設立されたのは、2007年から2009年の金融危機と重なっており、不況がイグジットの結果にほとんど影響を与えていないことを示唆しています。実際、2009年のユニコーン群は、不況の最後尾にあったにもかかわらず、イグジットの総計値が最も高かったのです。

2007年と同様に、今日ではウイルスを封じ込めるための予防策が市場の変化を生み出しています。実店舗販売のようなブリック&モルタルでのやり取りが激減し、オンラインでの購入が急増しています。Paysafeの調査によると、物理的な小売チャネルにアクセスできないため、世界的に消費者の18パーセントが初めてオンラインで購入するようになっています。

このような新規顧客の流入により、オンライン企業を立ち上げた創業者は、CACが低く、リピートの利用率が高く、そして顧客の生涯価値が高い、新しいイノベーションを導入することができます。政府のロックダウンにより、人々が新しい行動を採用するための強制的なメカニズムが導入されたため、消費者がこれまで試したことのない製品が今日では効果を発揮する可能性が高くなっています。

例えば、新しい遠隔医療プラットフォームは、緊急ではない診療所への訪問が閉鎖された今、需要が急増しています。ソーシャル・インタラクションが限られていたことを考えると、これまで高齢者層にはアピールできなかったソーシャル・ネットワーキング・アプリが、今では新しい人口層に人気を博しています。フードデリバリー、遠隔医療、電子商取引などの分野でのこの加速的な採用は、COVID-19から移行した後も、消費者の行動に持続的な変化をもたらすことになるでしょう。

一部の創業者は大勝利を収めるかもしれない一方で、投資家は厳しい時代に価値を獲得できるのでしょうか?

企業のリターンと同様に、ベンチャーファンドのパフォーマンスを年代別に分析すると、A16ZやLowercase Capitalのように、不況の最中や少し後にスタートしたトップファンドは、実際にはそれ以前の年代の同業他社よりも良いパフォーマンスを示しています。

2007年以降のIRRとTVPIの中央値は、いずれもそれ以前の年に比べて有意に高くなっています。これはイグジットの成果が高かったことや、評価額が低かったことによるものと考えられますが、このような高いリターンが景気後退後の10年間を通じて継続していたことを考えると、前者の方がより高いリターンが得られたと考えられます。

さらに、景気後退前にスタートしたファンドであっても、その波に乗るのに十分なドライパウダーなる待機資金を持っていたファンドもまた、大きな恩恵を受けています。Founders Fund IIは金融危機の直前の2007年に資金を調達しましたが、2010年初頭にSpotifyのシリーズCラウンドに投資したことで利益を得ていました。

多くのファウンダーにとって、市場は数年先までジャンプしており、あこがれのユニコーンの地位に数歩近づいています。投資家は、ロックダウン後も持続的な成長を続ける企業と、より緩やかな指標に戻る企業を見極めようと躍起になっています。

歴史が示すように、ベアマーケットにも、ブルマーケットにも、勝者は今後も存在し続けるでしょう。

Charles Yu
Bling Capitalの代表であり、自身のエンジェルファンドの創設者でもある。元TI Platform ManagementのLPで、Spotify、Lyft、Airbnb、Zocdoc、Pinterest、Flipkartなどのコンシューマー企業への投資を行っている。

crunchbase news