ニュース&コラム | 2020-04-30

【中国No.1投資家が語る】新型コロナ渦中、起業家は何をすべきか?

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中国投資ランキング1位の投資家や、中国の投資銀行イー・キャピタルの大物投資家が、新型コロナウイルスの影響と、スタートアップ起業家などの経営者が今何をすべきかを提言。いつ頃まで投資環境への影響が続くのか、資金調達はどうなるのか。

中国深セン在住で、現地のスタートアップで副社長を務める那小川さんに解説して頂く。

ゲストプロフィール

那小川 (Na Xiaochuan)
Zuva中国事業 首席顧問、トランスキャピタル創業パートナー
東京大学 情報理工学研究科 修士卒。
Mensa。CFA(チャーターホルダー)。
中国自動運転スタートアップRoadstar.ai.戦略責任者。
China Renaissance投資ディレクター。
DeNA China戦略アナリスト。
ローランドベルガー東京オフィスコンサルタント。

中国ベンチャー企業の増資を数十社(合計200億円超)。自動運転スタートアップ副社長。現在は日中のベンチャービジネス関連コンサルタントとしても活躍している。

この記事は、YouTube動画の書き起こし記事です。

中国No.1投資家に学ぶコロナの乗り越え方

佐々木真奈美氏(以下、佐々木)
今回はZUVA株式会社の櫻井さん、中国事業首席顧問の那さんをゲストにお迎えして、中国より中継を繋いで、最新情報を交えてお伝えします。

新型コロナウイルスの影響で、中国のスタートアップの投資が減少している中で、中国の投資家は、一体どんな反応を見せているのでしょうか。

那さん、その辺りはいかがでしょうか。

那小川氏(以下、那)
はい、中国の有名な投資家一人と、中国の有名な投資銀行・銀行員を取材した内容をご紹介したいと思います。

まず1人目は、朱さんという方なんですが、バックグラウンドを紹介しますと、中国で投資ランキング1位になった方ですね。彼は中国バージョンのUber、Uber Eatsに投資したことで、一気に有名になった投資家です。主にSeries Aに多く投資をするファンドの創業者です。

彼のアドバイスを一言にまとめると、まず影響としては、3ヵ月以上続くことを予想していて、次に彼が投資した企業に対しては、ひざまずいても生きろと言っていました。

具体的にどうするかというと、キャッシュを大事にして、人件費をカットするならば早くしろと、そういうようなアドバイスをしています。

次に、投資銀行の大物の話を紹介します。投資銀行というのが、Eキャピタルという中国では2位のTMT専門の投資銀行です。この方からも色々なアドバイスをいただきました。

まず彼の判断としては、2020年上半期の投資は、早くても下半期になるのではないかといわれています。なぜかというと、そもそも投資には時間が5ヵ月6ヵ月かかるため、上半期でこのように出張も出来ないような状況の中では、確実に下半期になるだろうと言っていました。

コロナ対策として今すべき4つのこと

さらに彼は、起業家に向けて4つのアドバイスを出しています。

1つ目はキャッシュの確保を一番大事なタスクにするようにと。実際は9ヵ月から12ヵ月分のキャッシュの蓄積がないと、まず生きてはいけないだろうと、だから人件費をカットするなら早くしろと、先ほどの投資家の話と一緒の話になるんですね。

2番目は、既存の株主に早めに相談をして、無理ならば無理だと言ってよと、そこは意地を張っててもしょうがない、苦境を相談していざというときにはCB(社債の一種)で支援をしてもらう準備を今から始めろと。

そして3つ目、これは資金調達の話なんですが、なるべくリモートの形でできることは事前にしておきましょうと、例えば投資家とは面談はできないんですけども、我々が今話しているように、Zoomなどリモートのツールを使って、資金調達の準備を早めに行うように助言しています。

4つ目ですが、もしコロナの影響を直に受ける企業であるとしたら、それは逆に資金調達は今すぐやめた方がいいということです。

なぜかというと往々にして創業者と投資家には大きなギャップがあるからです。ギャップというのは創業者からすると、我々は非常にまれなアクシデントに遭っただけであって、この企業は決して悪い企業ではありませんと。だから貸借対照表などの情報をそんなに低くして大丈夫なのかと、不安に思うわけです。

一方で投資家からすると、そうは言ってもこの状況が続くかもしれないし、バリデーションなどを低くしてもらわないと安全ではないと、なので激しく意見が衝突することが予想されます。なのでそれを予想できるのであれば、資金調達をむしろ止めた方がいいんじゃないかというアドバイスですね。

櫻井
最後のところはよくわかるんですけどね。なんだけどもキャッシュがないことにはやっぱり企業の運営をしていくがことできないですし、キャッシュを手に入れようと思った時に、今まで通りの高いバリデーションを維持できていけるのかというのが、創業者と投資家の間にギャップがあるというのは非常によくわかる話ですね。

一方でお二人の話で、3ヵ月とか6ヵ月間はなかなか資金が動かないという話は、非常によくわかるところではあるんですけれども、確かにキャッシュを持っている会社ってあれば当然いいんですけれども、アメリカがそうなんですけども、政府から一部資金を援助するであったり、政府系のファンドが何かブリッジするという話があるんですけど、中国ではそのような国のバックアップはあったりするんですか。

中国政府のバックアップの特徴


あります。国のバックアップは大きく分けると2つなんです。1つ目は、スタートアップ特有なんですが、銀行からの低利子の資金の貸し付けが、国から命じられています。

しかし、これは残念ながら、ほとんどのスタートアップは、恩恵を受けることができないんです。国の特別融資なので、結局ローンを受け取っているところって大きいところが多いんです。例えば日本でもご存じの方が多いと思いますがXiaomiや、Megvii(Face++を展開するAI企業)などです。

そして融資資金の使い方を、資金を貰う企業が公表しないといけないんです。例えばMegviiは何に使っているのかというと、マスクを着けたままの顔認識の開発資金にしています。

櫻井
なるほど、資金使途まで決められた融資ということですか。


そういうことです。


そして2つ目は、銀行にプレッシャーをかけているんです。準備金率を下げて、余った分の資金は必ず中小企業に貸すようにと、中央政府から指示があったわけです。ただ実態は1つ目にすごく近いんですけれども、銀行は基準を満たす中小企業がいないので困っている訳です。

貸せと言われてもリスクの為に貸せないんです。だから中国の資金援助というと、いつもアメリカで言われるようにPushing on string、つまり糸を押すような形、中央政府が一生懸命押している訳ですけど、銀行など実際融資を行う側の立場からすると、中小企業・スタートアップには貸したくないんですよ。

櫻井
貸し倒れリスクが高いですからね。そうするとやはりSeries Aであったり、創業したばかりの会社は、なかなか資金が回って来ずに、大手や、ある程度体力がある会社、事業が軌道に乗っている会社に資金がいって、これから起業を軌道に乗せるぞという会社には、なかなか資金がいき渡りづらい環境という感じですね。


そうですね、それが残念ながら事実です。

櫻井
まあこういう厳しい状況の後に残った会社っていうのは、実力があったり、世の中の問題を何か解決しているとか、世の中の何か役に立つからこそ残っていくのかなと。そういう新陳代謝は、一方で自由経済の中では仕方ないのかなとは感じてるところではありますね。


その通りですね。

櫻井
分かりました、ありがとうございます。

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