ニュース&コラム | 2020-04-24

世界のAIベンチャー資金調達ランキングTOP10

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世界のAIベンチャー企業の中で、資金調達額の多い企業を、10社紹介します。さまざま業務の自動化や、MaaS・自動運転の登場など、めまぐるしい早さで成長し続けるAI業界。

成長が早い分野のため、AI業界に注目する起業家も多いでしょう。しかし、成長が早いということは、競争も変化も激しいということです。入念な市場調査もなくAI業界に参入し、成果を収めることは難しいでしょう。

本記事では、AIベンチャー企業を資金調達額の多い企業から順番に紹介することで、どのような分野・テクノロジーが注目されているのかを読み解きます。資金調達に成功しているAIベンチャー企業の動向から、自社の事業の方向性を考えてみましょう。

※2020年4月15日地点の累計資金調達金額のランキングです

AIベンチャー企業10位「Automation Anywhere」

Automation Anywhereは、業務を自動化するRPAを提供する企業です。2020年4月現在、90ヵ国・3,500社以上の企業で、Automation AnywhereのRPAソリューションが採用されています。金融や医療、製造から電気通信など、合計9つの業界に向けてRPAを提供しています。

Automation Anywhereの特徴は2つ。誰もが直感的に使えるRPAを短期間で導入できる点と、AI搭載により、導入後もRPA業務が効率化し続ける点です。Automation Anywhereでは、ダウンロード後、すぐに使えるBotが500種類以上用意。AI搭載のRPAは、業務を行いながら機械学習を続け、業務プロセスを改善し続けます。

Automation Anywhere
主要事業:RPA
主要拠点:アメリカ
設立:2003年
推定従業員数:1,000名
資金調達額:$8億400万

AIベンチャー企業9位「UBTech Robotics」

UBTech Roboticsは、ヒューマノイドロボットと、AIなどのロボットの核となるテクノロジーを開発する企業です。2020年4月現在、ヒューマノイドロボットの分野で700以上の特許を保有する、ロボット・AI分野のリーダー的企業と言えます。

世界4ヵ所に教育・研究機関があり、ヒューマノイドロボットを開発するだけでなく、研究と学習を継続。二足歩行に必要な動作制御や、人の顔や物を認識し、人を追跡したり障害物を回避したりするのに必要なAI学習の研究を進めています。

UBTech Robotics
事業内容:ヒューマノイドロボット
主要拠点:中国
設立:2012年
推定従業員数:500名
資金調達額:$ 9,400万

AIベンチャー企業8位「OpenAI」

OpenAIは、AIにより人類全体に利益をもたらすことを重視して研究を続ける、非営利の企業です。OpenAIではAIだけでなく、AIよりも汎用性の高いAGIの研究・開発にも取り組み、人工知能全般が、より人類の役に立つものとなるよう研究を続けています。

非営利の企業として、企業同士の開発競争に巻き込まれない立場であると明言。ほかの研究機関との積極的な協力により、人工知能分野の国際コミュニティの構築を目指しています。人工知能分野のリーダーとして業界全体をリードし、業界の成長に伴い他社と競争するのではなく、他社を支援すると自社の憲章に定めた企業です。

OpenAI
事業内容:AI全般
主要拠点:アメリカ
設立:2015年
推定従業員数:10名
資金調達額:$ 10億

AIベンチャー企業7位「UiPath」

UiPathは、RPA分野において世界的に信頼を獲得している企業です。日本国内でも高いシェアを保有し、2019年には「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2019」と「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2019-2020」のRPA部門において、国内シェアNo1を獲得しています。

顧客にとって使いやすいRPAを重視するUiPathは、コーディングの知識がなくともRPAを開発・導入できるサービスを展開。API連携により、さまざまな外部ソフトとの連携も可能です。

ユーザビリティにこだわり、顧客の利益に繋がるRPAの開発を続ける企業です。

UiPath
事業内容:RPA
主要拠点:アメリカ
設立:2005年
推定従業員数:1,000名
資金調達額:$ 10億

AIベンチャー企業6位「Nuro」

Nuroは、日常生活をより快適に、便利にするためのロボット工学を研究・開発する企業です。完全自律型の自動運転車の開発に力を入れており、人が乗ることなく、荷物を運べる車両の開発に成功しました。富裕層の顧客だけでなく、誰もが利用できる価格の自動運転車を開発することが、Nuroの目標です。

Nuroは大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートと協力し、2020年中にテキサス州ヒューストンでの自動運転車による商品配送の開始を目指しています。対象地域のウォルマートの顧客の中から利用希望者を募り、実際の配送サービスを通して、自動運転車の開発と改善を進めていく予定です。

Nuro
事業内容:自動運転車
主要拠点:アメリカ
設立:2016年
推定従業員数:250名
資金調達額:$ 10億

AIベンチャー企業5位「Figure」

Figureは、AIを活用した金融サービスを提供する企業です。さまざまなローンを、従来よりも低い金利でリファイランスするためのサービスを開発しています。

Figureでは、主に住宅ローンと学生ローンのリファイランスを提供。AIを活用し、既存のローンよりも低い金利でのリファイランスを提案し、より迅速なローン完済が可能です。申請はアプリケーションから可能で、数分のWeb上のやり取りで完結します。審査にかかる時間も短く、数日での資金調達が可能です。

AIを活用することで、家から出ることなく手軽に申請し、より早くより低い金利でのリファイランスを可能にした企業です。

Figure
事業内容:金融
主要拠点:アメリカ
設立:2018年
推定従業員数:100名
資金調達額:$ 12億

AIベンチャー企業4位「MEGVII」

MEGVIIは、機械学習を活用し、従来よりも自律的なAIを開発する企業です。より効率的な課題解決を可能とするソリューションと、豊富なデータサービスの提供に特化し、AI開発を行っています。

独自のディープラーニングシステム「Brain ++」を用い、さまざまなアプリケーションのコアとなるAIエンジンの構築を目指すMEGVII。シンプルな開発によって、異なる企業や開発者の間の生産プロセスを標準化し、AIの生産効率を高めることが目標です。

MEGVIIの「Brain ++」は研究機関の開発者や学生と共有され、オープンソースのフレームワークの共同開発などを通して、AIの生産性を高め続けています。

MEGVII
事業内容:AI、機械学習
主要拠点:中国
設立:2011年
推定従業員数:1,000名
資金調達額:$ 12億

AIベンチャー企業3位「SenseTime」

SenseTimeは、顔認識や画像認識に力を入れる企業です。2016年には画像認識のコンペティション「ILSVRC2016」において、3部門で1位を獲得。2014年の時点で、人による他人の顔の認識率97%を超える、高い顔認識技術の開発に成功しています。

SenseTimeは元々保有していた画像認識の技術とノウハウに、ディープラーニングを活用することで、人を超える精度の顔認識技術を開発しました。SenseTimeの顔認識・画像認識技術は日常生活のさまざまな場面に利用されています。

たとえば、画像認識により道路状況を確認し、安全走行が可能な自動運転車。高精度の顔認識による、セキュリティレベルの高い入退室管理システムなどです。

SenseTime
事業内容:顔認識、画像認識
主要拠点:中国
設立:2014年
推定従業員数:500名
資金調達額:$ 26億

AIベンチャー企業2位「ArgoAI」

ArgoAIは、アメリカの大手自動車メーカー・フォード傘下の、自動運転システムの開発企業です。フォルクスワーゲン、フォードとの共同出資により、レベル4の自動運転システムの開発に取り組んでいます。

アメリカの自動車技術会(SAE)の定める基準において、自動運転システムのレベル4では、一定エリア内であれば運転手の搭乗なしでの走行が可能です。機械学習やAIの技術と、自動車メーカーの保有する安全工学や製造の技術を結び付け、完全に自律した自動運転車の開発を目指しています。

安全で手頃な価格の自動運転車を開発し、社会に浸透させることで、人が運転するよりも安全な自動車社会を実現することがArgoAIの使命です。

ArgoAI
事業内容:自動運転システム
主要拠点:アメリカ
設立:2016年
推定従業員数:500名
資金調達額:$ 36億

AIベンチャー企業1位「ByetDance」

ByetDanceは、さまざまなインターネットテクノロジーを開発した企業です。日本国内の利用者も多い「TikTok」も、ByetDanceが開発・運営しています。

ByetDanceは世界15ヵ所に研究開発拠点を保有し、開発したサービスには、世界中に2億人ものアクティブユーザーがいます。2億人のユーザーが、ByetDanceのサービスを利用する時間は、毎日平均1時間です。

ArgoAIは人と情報の繋がりを把握・構築することで、膨大なユーザーのニーズを満たし、世界中で受け入れられるサービスを開発し続けています。

ByetDance
事業内容:インターネットテクノロジー
主要拠点:中国
設立:2012年
推定従業員数:10,000名
資金調達額:$ 46億

AIベンチャー企業の資金調達額からわかる、自動運転車への注目

世界のAIベンチャー企業を、資金調達額の多い順に見ていくと、顔認識・画像認識技術や自動運転システムに関わる企業が資金調達に成功しているとわかります。画像認識と自動運転システムは、密接な関係にあります。正確な画像認識なくして、AIによる安全な自動運転は不可能だからです。

AIの発展により、ますます情報化が進んでいく社会において、自動運転車に関わるテクノロジーが注目を集めています。