SMBの退職プランプロバイダーのHuman Interest、シリーズCで4,000万ドルを調達

2020-03-13

Mary Ann Azevedo March 11, 2020

大企業で働く人々は、しばしば401(k)に関するオプションを持っている。そして多くの場合、企業の従業員がどの程度支払うか、その金額と内容が一致する。

しかし、中小企業(SMB)の場合、401(k)を従業員に提供することは、必ずしも簡単なことではない。そして、中小企業のオーナーは、退職後のために自分自身で貯金することによって苦労しているケースが見受けられる。この問題に対して変化をもたらそうとしているスタートアップが、新たに資金調達を行ったばかりだ。

SMBの退職プランプロバイダーであるHuman Interestは、本日、シリーズB で1,540万ドル(約16億円)を調達してから数か月で、シリーズCで4,000万ドル(約42億円)の調達を完了したと発表した。

William Oberndorf氏が率いる家族経営のオフィスであるOberndorf Enterprises LLCは、2015年4月にラウンドを開始して以来、Human Interestの総負債と(ほぼ)資本を7,500万ドル(約78億円)強に引き上げた最新のラウンドをリードした。合わせて、最後の2ラウンドの合計は、最初の4年間でHuman Interestが調達した資本の3倍以上となっている。

Human Interestの退職金給付デジタルプラットフォームを通じて、ユーザーは「数分で退職プランを立ち上げ、オートパイロットに設定することができます。」と同社は説明している。現在、2,200以上の企業と100,000人以上の従業員に退職貯蓄プランを提供している。

Human Interestは、昨年第2四半期にセールスおよびマーケティング機能を構築した後、顧客獲得率と収益が4倍に増加したと述べた。

Human InterestのCEOであるJeff Schneble氏は、2020年は前年比で3倍強の収益成長を目指していると語った。

「年末までに、数千万ドルのARRを保有する予定です。」と彼は付け加えた。「2021年には、キャッシュフローの損益分岐点に達することも期待しています。」
同社はちょうど150人の従業員数を超えたところだ。これは1年前の約40人から増加している。

興味深いことに、Schneble氏は、1年ほど前にCEOとしてHuman Interestに参加している。彼は、以前Silver Lake Partnersの経営幹部だった、その後、Silver Lakeを離れ、Wing Venture Capitalと呼ばれる新しいベンチャーファンドを設立した。彼はもともと、2017年に同社のシリーズAをリードした後、Human Interestの投資家および取締役として携わっていた。

「アメリカの退職制度を修正するという機会に感動したので、昨年、自分のベンチャーファンドを辞めて、Human Interestにフルタイムで入社しました。」と、彼はCrunchbase Newsに対して語った。

Schneble氏は、Human Interestの評価額について「現在、数億ドルである」と話す以外には何も開示していない。

「また、わずか7ヶ月前に調達したシリーズBの約4倍のステップアップです。」と彼は言う。「今回の資金調達により、ARRと収益性が4,000万ドル(約42億円)以上に達すると考えていますが、製品や成長に対して、さらに投資するために追加で資金調達をすることもできます。今回の資金調達は、予定より大幅に多い金額を提示され、非常に早く動いたため、必要に応じて追加で調達する資本を活用できることがわかっています。」

退職貯蓄に関するギャップを埋める

Human Interestの顧客の多くは、従業員が500人未満のSMBだ。

Schneble氏は、歴史的に、中小企業のほとんどが退職給付を提供していない問題に対処するために、Human Interestが設立されたと言う。実際、従業員数が100人未満の企業のうち、推定85%は退職給付を提供していないと、彼は付け加えた。

「その理由は、従来の退職プランを設定するには数か月もの作業が必要であり、弁護士、顧問などと協力してプランを設計および実施する必要があったからです。」とSchneble氏はCrunchbase Newsに語った。「こういった計画は、一度設定すると管理するのが高額で時間がかかりました。」

Human Interestが作成したものだと、企業はわずか15分で、ウェブサイトから退職プランを取得することができる。また、組み込み型の投資アドバイスも提供しており、Schneble氏は「非常に高い」参加率と貯蓄率を推進していると述べている。同社は、雇用主が推奨設定を使用した場合、93%の参加率が見られると述べた。その平均貯蓄率は、総収入の10%だ。

Human Interestは、(人ではなく)ソフトウェアを使用して、退職プランを設定および実行するため、従来の雇用主と従業員のための退職プランよりも、通常50〜70%低いコストで実現することが出来る、とSchneble氏はCrunchbase Newsに語った。

「私たちは、今日現在、この利益を手に入れていない600万もの小規模企業の多くに対して、できるだけ多くの利益をもたらし、アメリカの退職貯蓄に関するギャップを有意に少なくすることができると考えています。」と彼は言った。

Human Interestは、ベネフィットブローカー、CPA、ファイナンシャルアドバイザー、Zenefitsなどの給与計算プロバイダーと連携している。そのため、1か月あたりの平均新規顧客獲得数はほぼ3倍となり、そのうち85%が初めて401(k)に投資をしている層だ。昨年後半、403(b)は、全国の非営利組織の従業員に対する退職貯蓄へのアクセスを拡大する計画を追加した。

同社は、新たに調達した資金を使用して、顧客へのリーチを拡大し、製品開発を倍増する予定だ。また、より多くの地域および全国でパートナーシップを充実させ、主に製品とエンジニアリングだけでなく、セールスとマーケティングにおいても、より少ない範囲で採用を続ける予定だ。

投資家の視点

Oberndorf EnterprisesのOberndorf氏は、世界経済フォーラムによると、2050年までに137兆ドル(約1京4,000兆円)になると予想されている米国の退職貯蓄に関するギャップの解決に取り組む同社のミッションにより、彼のファームは当初から同社に投資することに関心があったと述べた。

「私たちは、自分の従業員が退職のために貯蓄することを強く支持し、奨励しています。すべてのアメリカ人労働者は、尊厳をもって退職する機会を持つべきだと考えています。」と彼はメールで答えた。「私たちにとって非常に驚きだったのは、多くのアメリカ人にとって、退職貯蓄サービスにアクセスする際、どれだけの問題があったかということです。だからこそ、Human Interestは、大きな問題を解決しようとしている非常に重要な存在の会社です。」

Oberndorfにとって、同社は多くの点において差別化しているとされている。「ワールドクラスのチーム」に加えて、「ユニークな流通モデル」を備えた手頃な価格の使いやすいプラットフォームを構築することで、「既存のプレーヤーに見過ごされている非常に大きな市場セグメントをターゲットにする」ことを可能にしていると説明している。

出典:crunchbase news