ニュース&コラム | 2020-02-27

「原力動画」(注)は自社開発の新技術をオープンにし、中国アニメーション産業の発展に助力

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注:「原力動画」英名:ORIGINAL FORCE、正式会社名:江苏原力动画制作股份有限公司 2010-12-22設立

Luyao · 2019-11-29

アニメーションはアートでありつつ、正真正銘のハイテク産業でもある

年末に、2019年の中国アニメーション市場を振り返るにあたって、数多くの注目される出来事があった。アニメーションはビジュアルアートと現代のハイテクを深く融合させた業界として、近年「ハードコア」というレッテルがより明確になりつつある。36Krが入手した情報によると、「原力動画」は自社が開発した3Dアニメーション制作技術のOF-USD、GafferとRigXをオープンソース化し、2020年から全業界向けに無料公開することを決めたという。

OF-USDとGafferに基づくライトレンダリングでは、MAYA(アニメ制作ソフト)とライトレンダリングのUSDフルサポートが可能

アニメーション制作において、ピクサー社のオープンソースツールセットUniversal Scene Description (“USD”) は非常によく使われており、異なるプロセスとアニメーション制作ソフトにおけるシームレスなデータ共有を実現。しかしUSDはオープンソーススタンダードで、ソフトウェアメーカーではまだネイティブ環境におけるサポートができていない。USDを導入するためには、自社エンジニアがシステムのカスタマイズをしなければならず、中国ではこのような技術力を持つアニメーション制作会社は片手で数えられるくらいしかいないのが現状である。
MAYAは中国で最も多く使われているアニメーションソフトで、まだネイティブ環境でUSDをサポートしておらず、実験段階にある。「原力動画」のエンジニアチームは自社のアニメーション開発ニーズを踏まえ、一連のプロセスツールを開発し、MAYAによるUSDサポートを実現した。現在ではUSDファイルのモデリング、テキスチャー、カメラ、バンディング、アニメーション、アフターエフェクト、ライトレンダリングなどのプロセスをシームレスに融合させることに成功している。

それと同時に、「原力動画」が自社開発したOF-USD技術は、アニメーション制作の並行編集が可能。異なるプロセスのエンジニア・デザイナーは、同じアセットやシーンを変更し、保存した上で、その他制作プロセスにもアップデートを反映でき、関連するプロセスでは自身のニーズに応じて同じUSDファイルを編集できる。

「原力動画」のエンジニアは、USDファイルとMAYAのシーンファイルのリアルタイム変換を実現し、大規模なシーンのリアルタイム操作も可能だ。複雑なシーンにおいて、オブジェクトの数は百以上、Meshの数は一千万を超え、シーンをロードするだけで1時間かかり、操作遅延は1フレーム/秒程度になっている。同じシーンはUSDでのロード時間が10分以内で、操作遅延は10フレーム/秒程度。このような巨大なシーンは、アニメーション映画などでは多く見られ、USDを使用すれば大幅にロード時間と操作遅延を減らすことが可能で、デザイナーのストレスを軽減。また、「原力動画」はMAYAにUSDviewに基づくウィンドウを導入し、MAYAのテキスチャーネットワークをUSDのリアルタイムテキスチャーネットワークに変換できる。ユーザーはMAYAのウィンドウでテキスチャー、デジタルアセットのバラエティなどをクィックに確認することができ、USDファイルの編集とリリースもできる。また、「原力動画」は最新のMaterialXテキスチャー定義技術を使用し、異なるレンダラー及びUEエンジンにおけるリアルタイム変換機能をシームレスに実現している。

「原力動画」は高性能オープンソースレンダリングプラットフォームGafferのUSDサポートを改良し、Gafferによるネイティブ環境でのUSDファイルサポートを実現。Gafferのウィンドウで、デジタルアセットのバラエティを切り替えることができる。MaterialXテキスチャー定義技術を使用し、MAYAテキスチャーネットワークとGafferテキスチャーネットワークの変換が可能で、MaterialXテキスチャーファイルを持つUSDアセットでもGafferで直接レンダリングができるようになった。

自主開発した新技術RigXでは、高効率のバンディングアクセラレーションシステムを実現

アニメーション制作において、バンディングはモデルに魂を吹き込むステップである。全てのモデルはバンディングによって初めてアニメーションに入れることができるからだ。制作技術の発展により、キャラクターバンディングの性能ボトルネックは業界内で広く認識されるようになっている。アニメーションの最終製品はオフラインレンダリングの結果であるが、制作のプロセスにおいて、リアルタイムに操作できるかは生産性に大きく影響している。

キャラクターバンディングの性能ボトルネックについて、多くの企業が現在主流となるアニメーション制作ソフトに取って代わる新しい計算プラットフォームの開発に着手している。これらの新しい計算プラットフォームは高性能を目標にデザインしたもので、リアルタイム操作を実現できたとしても、多く見られる課題は肝心な機能が欠けていることで、更に、使い勝手は伝統的なソフトと大きく異なるため、過去のファイルを新しいプラットフォームに移行させることが困難極まりない。また、CGの制作において、一部の企業はアートの品質を保ちつつ、バンディング性能を高めるため、バンディングした後に肝心なノードを書き直す方法を取っている。このやり方ではアートの品質と高性能を両立できているが、人件費が膨れあがるため、大々的に使用することができない。

出典:QMP news