ニュース&コラム | 2020-02-10

ナレッジシェアリング業界のパラドックス:「楽しみながら死んでいく」戦略の行き先(後半)

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2020-01-21 0創事記 微博 作者: Alter

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03 究極的な答えとは:インフラとグレシャムの法則

この戦争に打ち勝つ「究極的な答え」はどこだ?
あるいは秩序のあるシステムーインフラがその答えかもしれない。
時間を今世紀初頭に戻し、朴樹が「New Boy」の曲でこう歌っていた:

早くペンティアムパソコンをくれ
彼らに思考を任せるさ
新しい服を着て、新しい髪型を整えて
楽したいのだ、Windows98

2000年の「New Boy」は、情熱をペンティアムパソコンとWindows98に捧げるのに、躊躇はなかった。彼の世界では、インターネットがまだ神秘的で、インターネットが象徴するのは新しい世界への窓であり、遠いどころからの情報や知識を詰めた封筒である。

ちょうど2000年前後、中国最初のインターネット大手企業が相次いて誕生した。1997年にNetEase、1998年にSohu、Sina、テンセント、アリババが誕生した。2000年に、Baiduが誕生した。
NetEase、Sohu、テンセント、Sinaの4大ポータルサイト、及び検索エンジンのBaiduは、人と情報を繋ぐツールだった。彼らは入り口であり、平等的である:パソコン端末を持つユーザーに、平等的に情報をアクセスさせる。

これからの十数年の間、Baidu創業者のRobinが何度もBaiduを作った当時のビジョンを語った。「人々が平等的で迅速にほしい情報を手に入れること」こそが、Baiduのビジョンであり、企業使命なのだった。

しかしながら、スマートフォンの普及や、アプリの爆発的増加により、インターネット生態系が逆にオープンから閉鎖的になりつつあり、その結果として、コンテンツプラットフォームがそれぞれの異なる道を歩み始めた。情報や知識を入手するインフラは「検索エンジンとインターネット全体」ではなく、複数の「検索エンジン+スーパーアプリ+自社エコシステム」のセットとなっている。

百家争鳴は、もちろん大いに結構なことだが、それに伴い、グレシャムの法則、つまり「悪貨は良貨を駆逐する」に従ったトラフィックの争奪戦が始まった。情報の破片エフェクト、品質の低下はモバイルインターネット時代の必然的な現象で、この現象がもたらすものは「知識不足に関する焦りを感じている状況」の普及や、情報獲得の「ロッククライミングモード」。(もちろんPCインターネット時代も情報のノイズが存在していたが、モバイルインターネット時代の競争にもたらされる情報量爆発とは、到底比較にならない)。

本題に戻ろう。「知識不足に関する焦りを感じている状況」の解消は、その根底にあるのは2つの問題点である:コンテンツと、そのデリバリー。言い換えれば、入り口とエコシステムなのだ。
インターネット大手企業が既に動き出している。

テンセントはコンテンツとソーシャルネットワークを融合させ、ウイチャット(WeChat)の「看一看(見てみよう)」機能は、人々が自分の交友関係と同じ情報・知識を得るようにサポートし、知識不足焦りを緩和する試みだ。パブリックアカウントの「有料購読」機能のA/Bテストは、知識獲得の閾値を高め、良質なコンテンツをスクリーニングできる。

Zhihu(知乎)などのナレッジ購入プラットフォームはユーザーを読書に没頭させるべく、リード読書モードを作り出した。コーチをつけて、時間内に読書を完成させるように促す仕組みだ。
伝統的な学習方法に戻るか、ソーシャルネットワークによる方向性を決めるか、読書という行為にコーチをつけるか、これらいずれの新しい取り組みは合理的であるが、ここで本質的な問題点は:知識そのものは無害であり、焦りの根本的なルーツはデリバリーのオーバーロードである。したがって、ソリューションは効率的なデリバリーにある。

「2019年のBaiduナレッジサミット」では、このようなデータがあった。Baiduナレッジの一日の検索数が15.4億回で、Baiduナレッジサービスは2.3億人の一日訪問数を突破し、ユーザーの一日閲覧時間は合計で6.3億分を超えた。
その中からもらえる示唆としては、検索は未だに大半のインターネットユーザーが頼る情報・知識獲得チャネルである。一日15.4億回の検索数に比べて、3000万人のユーザー数を持つ「得到」は、ナレッジデリバリーの深堀りであるが、検索はより大衆向けで、市場教育コストが低いオプションで、情報オーバーロード解消のより一般的なソリューションになりうる。

少なくとも、Baiduナレッジプラットフォームが正しいお手本を見せている:入り口の分散化は、情報と知識の獲得においては、さほど分散しているわけではない。
一方で、良質的なコンテンツこそが知識不足焦り解消の鍵となる。ニール・ポストマンが書く「楽しみながら死んでいく」の時代に置かれても、良質的なコンテンツは莫大なユーザーから支持されるはずだ。これはBaiduなどの大手企業導き出したソリューションで、実用主義的な学習をやめて、モダム的な知識・情報シェアリングプラットフォームを作ることにより、ユーザーが良質なコンテンツに出会える敷居を下げる。

要するに、知識不足焦りの「究極的な答え」は、新しい世界を作るのではなく、より効率的にニーズを収集し、良質的なコンテンツ(良貨)をデリバリーすることで悪貨を駆逐。より良質的で、大規模なコンテンツエコシステムを情報・知識獲得のインフラのコアに据えることで、エコシステムの免疫システムと共通の認識を構築し、悪貨を駆逐することができる。

例えば、ビデオが新しい情報メディアになったとき、良質的なコンテンツもビデオになる。低品質なコンテンツがトラフィックを支配するようになったら、Baidu、テンセントなどのプラットフォーム及びナレッジシェアリングのプラットフォームも良質的なコンテンツをサポートしなければならない。
Baiduナレッジプラットフォームが打ち出した「星知計画」や「文値計画」などは、良質コンテンツの生産者により大きな商業的価値を還元する取り組みである。羅振宇や、呉暁波などのオピニオンリーダーがリードしている中で、より多くの人が有料コンテンツを作るようになり、利己的な目的だとしても、良質コンテンツの生産には悪い話ではないはずだ。
「ロッククライミングモード」が過ぎれば、壮大な眺めを楽しめるかもしれない。

04 まとめ

QuestMobileがレポートで披露したデータによると、中国モバイルインターネットユーザーが毎日インターネットに使った時間が6.2時間にも上る。アリババ、テンセント、Baiduなどの大手企業はインターネットトラフィックの70%を占めている。
となると、ユーザーは仕事や睡眠、基礎的な生理的活動以外のほとんどの時間は、インターネットに費やしたのだ。

「知識は力なり」というのはあくまでもインターネットの核となる秩序である。情報と外部情報の洗礼を受けて、我々は暗闇を切り抜ける子供になるだろう。

文/Alter 作者/Alter
来源:Alter聊IT(ID:spnews)
ソース:spnews  微信也要“付费”了

出典:QMP news