ニュース&コラム | 2020-02-10

スペインが成長著しいラテンアメリカのスタートアップを惹きつける理由

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Guest Author, February 6, 2020

本記事は、テクノロジースタートアップのデジタルマーケティングおよびPR代理店であるLaunchway Mediaの共同創業者Katie Griffing氏と、All Iron Venturesのベンチャーキャピタル投資家およびモバイルアプリプラットフォームを提供する成長中のアルゼンチンのスタートアップJamppの元BizOps、Tomás Güida氏による共著である。

昨年、国内外の投資家により記録的なレベルの資金がラテンアメリカに投資された。これは、2018年の投資総額20億ドル(約2,195億円)をはるかに超えている。ラテンアメリカの新しい世代のスタートアップは、地域を超えて事業を拡大する場合に、先駆者が抱えていた以前のような困難に直面しなくなった。また、多くのラテンアメリカのスタートアップが、まだ米国市場に参入するチャンスに飛びついている一方で、技術的な才能とスケールする新たな機会を求めて、米国以外の地域に目を向ける傾向も高まっている。

ヨーロッパに目を向けているラテンアメリカのスタートアップにとって、スペインはますます重要な役割を果たしている。マイアミはバイリンガルコミュニティと地域との密接な関係を築いており、ラテンアメリカのスタートアップにとって米国で事業を立ち上げるための重要なゲートウェイとなっているように、スペインもまた、ラテンアメリカのスタートアップがヨーロッパでベンチャーを立ち上げ、成長するためのユニークな強みを提供している。

言語と文化の類似点以上に、スペイン政府からの支援、投資資金の増加、いくつかの新たなスタートアップイニシアチブが、ラテンアメリカの起業家が地元の投資家、パートナー、技術系人材との関係を築くのを支援している。これらのイニシアチブのいくつかから、より多くのラテンアメリカのスタートアップが、スペインをヨーロッパの拠点として選んでいる理由を説明しようと思う。

スペインによるラテンアメリカへの投資

スペインはラテンアメリカに多額の投資を行っており、ラテンアメリカとヨーロッパの関係を構築するために常に不可欠な存在であった。過去数年にわたり、スペインはEUとメルコスール、EUとメキシコ、EUとチリの合意に関する協議をリードした。アルゼンチン、ブラジル、チリ、メキシコ、コロンビア、ペルーは、スペインと最も重要な通商関係にあり、スペインとコロンビア、ペルーとの2国間貿易取引は急速に増加している。ラテンアメリカのテクノロジーセクターへの投資は、類似のパターンに従っており、スペインのVCはこの地域での活動を増やし始めている。

例えば、スペインのSeaya VenturesとBanco Sabadell(InnoCells)は、美容と健康に関するビジネスの運用を効率化するプラットフォームのBewe、金融プラットフォームCoru(旧CompraGuru.com)、および消費者決済プラットフォームである UnoDosTres などのスタートアップに投資をしている。スペインの通信大手Telefónicaは、スタートアップに投資するプログラムを2つ運営している。TelefónicaOpen Innovationと、ヨーロッパおよびラテンアメリカの12か国で運営をするグローバルアクセラレータプログラムWayraだ。

2011年から2017年の間に、Telefónicaはラテンアメリカのスタートアップに約8,000万ドル(約87億円)を投資している。 Wayraのアクセラレータに参加した350社のスタートアップに約1,800万ドル(約20億円)、TelefónicaOpen Innovationに参加した22のスタートアップに約6,000万ドル(約65億8,000万円)が投資されている。

「Wayraは、2014年以来、スペイン市場に対する理解と参入を支援してくれました。」と、コロンビアの中小企業にクリーニングサービスとファシリティマネジメントのプラットフォームを提供するHogaruのCEO、Matteo Cera氏は述べている。同社はまた、スペインの3都市に事業を拡大する計画をしている。

スタートアップにとっての魅力

2016年、スペイン政府のプログラムであるICEX-Investは、国際的な人材とイノベーティブなビジネスモデルをスペインに惹きつけ、スペインをヨーロッパにおけるテクノロジーとイノベーションのハブとして位置付けようとする取り組みであるRising Startup Spainを立ち上げた。このプログラムは、外国人起業家に対して、ビザ発行の促進、マドリードまたはバルセロナの無料ワークスペース、メンタリング、および10,000ユーロ(11,053ドル、約120万円)の助成金を提供する。テンアメリカの多くのスタートアップがこのプログラムに選ばれている。

「ライジングスタートアップスペインプログラムは、スタートアップにソフトランディングを提供し、ラテンアメリカのスタートアップがスペイン市場に参入するための多くのサポートを提供しています。」とCera氏は言う。

スペイン政府はまた、外国人の才能と投資を誘致する法律を可決した。これには、事業計画とスペイン国内に滞在するのに十分な資金を必要とする外国人起業家のためのビザが含まれる。

「スペインで会社を運営するために起業家ビザを取得しました。」と、サッカー選手向けのスマートウェアラブルデバイスを開発しているOliverの共同創業者Jose Gonzalez Ruzo氏は語っている。Oliverはアルゼンチン、コルドバ、バルセロナにオフィスを構えている。

「政府は私たちにランディングプログラムを提供し、潜在的に当社のパートナーになり得る地元の組織や大学、投資家などを紹介してくれました。」とGonzalez Ruzo氏は付け加えた。

一部の起業家は、ラテンアメリカとスペインのスタートアップエコシステム間の絆を強化するために、自らが問題解決に取り組んでいる。 たとえば、スペイン・アルゼンチン・アントレプレナーズ協会は2018年に設立され、スペインとアルゼンチンの人材に対してアドバイザリーサービスを提供し、両国間のコラボレーションの機会を共に探っている。

出典:crunchbase news